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後遺障害非該当に対する異議申立手続

■後遺障害の非該当

 
被害者請求にせよ事前認定によって後遺障害の認定手続をした結果、約1ヶ月から2ヶ月後にその結果が送られてきます。

 痛みや痺れを残したまま、症状固定を宣告されてしまい、挙句の果てに後遺障害には該当しません、とその理由をつらつらと書かれて送られてきます。

 痛みやしびれを残したまま、残酷で一番つらい通知です。

 下の見本は、一度事前認定で非該当とされたため、異議申立てをしても非該当とされたものの一部です。
 

【後遺障害の結果通知】

別紙の一部


【異議申立】

 自賠責保険に請求した事案のうち、高度な専門的知識を要求され判断が困難な事案等は、審査の公平性・客観性を確保するため、外部の専門家が参加する自賠責保険審査会で審査が行われることになっています。

 そこには、過失割合等のついて審査する「有無責等の専門部会」と「後遺障害の専門部会」があります。
後遺障害の専門部会では、脳外傷による高次脳機能障害に該当する可能性がある事案や異議申立がなされた事案について審査されます。

 後遺障害の等級認定に対して異議申立てがあったケースでは、出先の各都道府県に設置されている算出機構が判断をするのではなく、専門家が集まった後遺障害の専門部会で審査されることになる訳です。

【異議申立の具体的方法】

 後遺障害の異議申立を行うには特別な書式は必要が無いことになっています。しかし、各保険会社にはそれぞれ異議申立の書式をそろえていますので、保険会社に電話して送ってもらうとよいでしょう。
 
 書式は各保険会社ごとに少しフォームが異なりますが、どこのを使っても差し支えありません。自賠責保険会社の名前を消して、該当の保険会社名を書けば済みます。

1.各保険会社の用意する書類に異議申立の内容を書くだけのシンプルなやり方

2.別紙のとおりと記載して、別紙に異議申立の内容を詳細に書く方法

3.新たに医師より診断書を取り寄せて(他の病院の場合もあり得ます)、新たな医証を添付して異議申立を行う方法

 どのような方法にするかは、非該当になったそれぞれの理由によって異なってきます。認められなかったことについて、クレームをつけるようなやり方はあまりお勧めできません。

 これまでの経験で、非常にシンプルな(1)の方法でやって、14級に認められたこともありますので、どれが最善の方法なのかは一概に言えません。しかし、新たな具体的な医学的な証明をつけるのは好ましいものだと思います。


【異議申立書の見本】
 

【異議申立の回数とその後】

 異議申立は、何回までできるのでしょうか。特に回数の決めはありません。でも根拠がないにもかかわらず、何度も何度も繰り返しても結果は変わらないと思います。

 むち打ち症で異議申立をする場合には、
1.全くの非該当で異議申立を行うケース

2.14級の認定を受けたものの、さらに12級の認定をしてほしくて異議申立を行うケース

 14級と12級の違いは、
・14級10号: 局部に神経症状を残すもの
・12級12号: 局部に頑固な神経症状を残すもの

 12級は、他覚症状がなければ認められることは、ありません。しかし、14級ではとても納得が行かない、という比較的重症な後遺症に悩む方が行います。

【異議申立以外の方法】

 自賠責への後遺障害認定手続でどうしてもダメな場合は、他の方法に切り替える方法もあります。

 それが、『財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構』です。

 自賠責保険・共済の保険金または共済金の支払いで、被害者や保険・共済の加入者と保険会社・共済組合との間で生じた紛争に対して、適確な解決を目指して公正な調停を行いために設立された機構です。

 〈紛争処理解決までの一般的な流れ〉
 自賠責保険・共済に異議申立てをすることができ、決定が変更される場合があります。異議申立をする場合には、その結果がでるまでは、紛争処理の申請はできません。
 「紛争処理の申請」または「裁判所への提訴」をすることもできます。 調停結果に納得できない場合であっても、紛争処理機構に対し再度の申請をすることはできません。なお、事故の相手方当事者または自賠責保険会社・共済組合を相手とし、民事訴訟を提起することはできます。
 
 同じ土俵で何度勝負してもだめなら、場所を変えてみる、というこですね。

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