【事故発生時の対応 @加害者】
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何事もそうですが、人間は行動を起こすと同時にそれに対するリアクションが出てきます。それを恐れていては、何一つ行動を起こすことは出来ません。
しかし、悪いリアクションとして返ってくることもあるのです。交通事故はその代表的なものだと思います。加害者となれば、一刻も早くその場から立ち去りたい気持ちになるのは当然の心理です。でも、逃げてはいけません。被害者の人命を第一に考えて行動してください。
被害者が歩行者や自転車に乗った人なら
■すぐ近くの病院へ、車に乗せて連れて行くことです。
車同士で、相手が重症の場合も
■すぐ110番、119番で救急車を呼び、出血を止めるなどその場の状況により最善の手を尽くしましょう。
道交法72条1項は「被害者の救護と事故報告」が定められていて、特に救護に違反すると5年以下の懲役又は50万円以下という重い刑罰となります。
そればかりではなく、業務上過失致死傷罪が非常に重くされてしまう傾向があります。
私自身の話ですが、かなり以前北九州に住んでいたときのこと、建物の工事現場付近をそろりそろりと走行していました。
時速は25km/h前後だったと記憶しています。そこへ、工事現場からその道路の反対側に駐車していた車に向かって(後で聞くと工具を取りに車へ向かったようです)、猛烈な勢いで若者が走ってきました。
タイミングが悪く、私の車が丁度差しかかったときでした。急ブレーキをかけましたが、既に5m程突き飛ばしてしまいました。
何はともあれ、その若者を私の車に乗せて近くの病院へ行き、すぐレントゲンを撮ったり治療してもらいました。運良くその若者は尻から落ち、骨折もせず打撲程度ですみました。3回程、自宅療養している被害者のもとへ見舞い品を持参して容態を案じました。
それから約2ヵ月後に呼び出しがあり、取調べを受けました。少なからず行政処分を受けるのを覚悟していましたが、何の処分も受けずに済んでしまいました。今考えると、私のほうの過失はほとんどなしと判断されたのだと思います。
しかし民事上は100:0ではなかったと思います。多少の賠償責任は発生していたのだと思いますが何はともあれ人命第一に行動した私の行為が評価された結果だった、と考えています。
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【事故発生時の対応 A被害者】 |
・警察への事故報告と同時に、目撃者がいれば住所・氏名の確認
後々損害賠償でトラブルになった場合、目撃者の証言があれば非常に大きな味方になってくれます。
・軽い人身事故の場合、加害者に「今とても急いでいる、後で届けましょう」と懇願されることがあります。この場合、酒気帯びで時間稼ぎされることがあります。過失割合で被害者にとって不利になります。
「会社に知られるとまずいので、賠償はすべて私がやります。」と懇願されて届けをせず、後になって傷害の程度が重くなり加害者の資力では手に負えなくなるケースもあり、交通事故証明もとっていないため保険の請求もできない事態にもなります。
ですから被害者は、必ず警察に連絡することが大切なのです。
・念のため、相手の免許証、自賠責保険の証書のコピーを近くのコンビニでコピーを取らせてもらいましょう。
・治療の専念(健康保険等の使用)
病院によっては、交通事故は健康保険は使えません、というところがあります。そうした法が病院は手間もかからず保険点数も高く請求できるので儲かるからです。どんな事故でも健康保険は使えますので、しっかり覚えておいてください。
・仕事中の事故や通勤途上の事故の場合は労災で自己負担もまったくなく治療できます。
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