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内臓及び生殖器の後遺障害認定基準
 自賠責施行令の別表は従来ひとつだけでしたが、平成13年に介護を要する後遺障害の保険金額を増額させることとなり、その結果別表1と2の2本立てとなりました。

 常に介護を要するものは「1級」、随時介護を要するものは「2級」となっています。

 全体的には、平成18年に基準が改定されて今日に至っています。それ以前は、「脾臓又は一側の腎臓を失ったもの」は8級の障害と認定されていましたが、これは労働能力に影響を与えるか否かが争われていましたが、現在はより具体的な身体状況をもって評価し判断されるようになっています。

 新しい基準は、5つの臓器に分けて説明されています。

1.呼吸器
2.循環器
3.腹部臓器
4.泌尿器
5.生殖器


内臓及び生殖器障害
障害の部位 障害の程度 等級
内臓

及び

生殖器
障害
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
胸腹部臓器に著しい機能障害,終身労務不能
胸腹部臓器に著しい機能障拡特に軽易な労務以外就労不能
胸腹部臓器の機能障害,軽易な労務以外就労不能
胸腹部臓器の機能障害,服することができる労務が相当程度制限
胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障がある
胸腹部臓器の機能に障害を残す
両側の摩丸を失ったもの
生殖器に著しい障害を残す
1 の2

2 の2
3 の4
5 の3
7 の5
9 の11

11 の10

13 の11
7 の13
9 の16

1.呼吸器
 医学的かつ専門的な検査方法によって判定されます。イメージとしては、肺活量を詳細に測定するような感じだと思います。
 専門的な検査方法によって、障害等級に該当しない場合でも、運動負荷試験によって、明らかに呼吸機能の低下による呼吸困難が認められる場合には、11級に認定される可能性もあります。

2.循環器
 循環器とは、血液を体内で循環させる器官のことですが、細分化すると
 @心機能低下
 A除細動器またはペースメーカーの植え込み
 B心臓の弁の置換
 C大動脈解離
  とに分けられ、それぞれの程度に応じて等級が決められています。

 除細動器というのは、心臓の働きを助けるために電気的なショック(除細動)を与える医療機器のことです。現在、公共的な施設に多く設置されるようになった「自動体外式除細動器:AED」の、ペースメーカー的なものと理解すればよいと思います。

3.腹部臓器
 食べ物を消化吸収し排泄にいたるまでの臓器を、さらに細分化して
 @食道
 A胃
 B小腸
 C大腸
 D肝臓
 E胆のう
 Fすい臓
 Gひ臓
 H腹壁瘢痕ヘルニア

 以上に分けて、それぞれの部位の機能の低下又は失った場合(亡失)、あるいは人工的に機能を補うものを設置した場合に応じて、障害等級が定められています。
 ひ臓の喪失は、以前は8級の扱いとなっていたのが、現在は13級の扱いとなっています。

4.泌尿器
 @腎臓の障害
 A尿管、膀胱及び尿道の障害

 腎臓についても以前は、ひとつの腎臓を失った場合は、ひ臓と同様に8級とされていたのが、現在は、機能を重視した評価となっています。一側のじん臓の亡失の有無に応じて、さらに、総合的な機能に基づき評価されます。

5.生殖器
 生殖機能を失ったかどうか、によって判断されます。生殖機能を完全に喪失したものを7級として、生殖機能は残存しているが、通常の性交では生殖を行うことができない場合で9級とされます。
 さらに、男性を例にとると、陰茎の欠損、勃起障害、射精障害などに区分されて障害等級が決められています。

 ただし、生殖器の場合は、最高等級で7級止まりです。
 
 


                                         



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