後遺障害の損害賠償請求
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■後遺障害の損害賠償
ここでは後遺障害14級と12級に限定して、損害賠償額の算定についてお話します。後遺障害にいたる前の傷害のことはここでは省きます。
まず、自賠責の基準からお話しますと、以下の表を見て下さい。
後遺障害等級 |
逸失利益 |
後遺障害慰謝料 |
支払限度額 |
自賠責の場合、逸失利益と慰謝料とを分けて表示はしていません。参考に確認ください。 |
12級 |
131万円 |
93万円 |
224万円 |
14級 |
43万円 |
32万円 |
75万円 |
一般的に、後遺障害が認定されると、損害保険会社はほとんどの場合、上記の自賠責の基準で賠償額を提示してきます。自賠責の範囲で賠償が済めば、加害者(保険会社)としては、自賠責への加害者請求でその分をすべて求償することができます。
12級と14級では、賠償額に約3倍の開きがあります。また、後遺障害の非該当と14級では、0と75万円の差となります。
自賠責の基準を無視して、損害賠償を行う場合の具体的な方法について説明します。
【損害賠償のイメージ図】 |
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症状固定になる前は、傷害による損害賠償ですが、図の中に書いてあるとおり、治療費、休業損害、傷害慰謝料によって構成されます。もちろん、交通費や入院したときの諸雑費なども入ってきます。
症状が固定して、後遺障害診断書を書いてもらい、認定された後の損害賠償は、『逸失利益』と『後遺障害慰謝料』しかなくなります。
最初に、逸失利益の賠償額を決める要素は、図を参考に
1.被害者の事故前年の所得
(傷害の場合は、事故前3ヶ月の平均で算定されますので違いに注目してください。)
2.喪失期間の長さ(ライプニッツ係数)
3.労働能力喪失率
14級で5%、12級で14%
これに、後遺障害慰謝料の額が加わって総額が決定します。
■具体的な計算例
事例:主婦の場合を計算
主婦の場合の前年の年収は、賃金センサスから全年齢平均給与額が用いられることが多いようです。
女子の平均給与は、月額275,100円ですが、それを12倍して3,301,200円が計算根拠となります。
14級の場合の計算
(年間所得) (労働能力喪失率)(2年のライプ係数)
3,301,200円× 0.05 × 1.859 =306,846円
12級の場合の計算
(年間所得) (労働能力喪失率)(4年のライプ係数)
3,301,200円× 0.14 × 3.564 =1,647,167円
年間所得と労働能力の喪失率は、ほぼ争いのないものであり、ポイントは、労働能力の喪失期間です。各保険会社は、一様に14級で2年、12級で4年で計算してくることが多いのですが、近年の判例をみると、14級で、3年から5年、長いので7年というのもあります。
被害者の受傷の程度やその後の後遺障害の程度に応じて、交渉を重ねて妥結の点を探って行くしかありません。後遺障害の損害賠償のポイントは、正にここに存在します。
判例では14級の喪失期間最長5年、12級で10年程度ですので、それらに基づいて計算した表をご覧ください。喪失期間の取り方で、数値は大きく変化しています。
■後遺障害慰謝料
慰謝料も、事故毎に決められるものですが、目安として、各支払基準を示して見ますので参考にしてください。
後遺障害等級 |
自賠責 |
任意保険(例) |
赤い本 |
青い本 |
14級 |
32万〜45万円 |
40万円 |
110万円 |
90〜120万円 |
12級 |
134万円〜190万円 |
100万円 |
290万円 |
250〜300万円 |
※赤い本:(財)日弁連交通事故相談センター東京支部 「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」
※青い本:(財)日弁連交通事故相談センター 「交通事故損害額算定基準」
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お互いが合意に達した時点で、示談書を交わすことになります。そして、示談書にサインして保険会社に届いて後、一週間程度で損害賠償金が振込まれます。
以上で、事故から長い間、通院し、そして保険会社の担当者に治療打ち切りだの、これ以上は治療費は出さないなどと言われた腹の立つことともお別れです。
人間には、自ら障害を癒す能力が備わっています。それも気持ちの持ちようで違ってきます。前向きに、リハビリを心がけて一日も早く元の体に戻すように頑張りましょう。
また、今後さらに医学が進歩して、多少のむち打ち症は、すぐに完治でにるようになる時代が来るのを願わざるを得ません。
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むち打ち症に関して、さまざまなページを用意しています。それぞれのアイコンをクリックして進んでください。
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