慰謝料とは人的被害により生じた精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。
物的被害は、財産的損害の填補を受けることで精神的損害も填補されるとの考えですので認められることはありません。例え、毎日磨き上げ、恋人以上に大切にしていた、としても慰謝料の対象にはしてくれません。
■慰謝料額の算定
・死亡による慰謝料
・後遺障害による慰謝料
・入、通院慰謝料
に分けられます。
慰謝料の額の算定で考慮されるのは、外貌醜状の残存、加害者の対応の粗悪、被害者の被扶養者の数などがあげられます。
慰謝料が減額される場合は軽度の負傷や被害者が搭乗者障害保険金を受領している場合があります。
自賠責保険では、傷害の場合、後遺障害の場合、死亡の場合と分けて慰謝料の基準が定められています。
慰謝料を決めるポイントは
1.被害者の収入
2.後遺障害の程度
被害者の収入について、その算定は一律ではありません。学生でまだ収入がない場合、専業主婦、自営業者で実際の所得の把握が難しい場合など、それぞれについて、判例等を参考にして計算します。
政府が発表する賃金センサスに基づく場合もあります。
★休業損害についても、慰謝料を算定する上でも、収入は一番大きな要素です。重度の後遺障害や死亡の逸失利益を算定する上で非常に大きな要素であることに変わりません。
■損害の過失相殺と減額
■過失相殺
事故の態様ごとに一定の算定基準があります。東京地裁民事第27部「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」平9年や(別冊判例タイムズ第15巻)などがあります。
被害者側の過失の存在を理由に、損害額を減額できるという制度です。
■減額要因
1.事故・受傷内容が軽微なのに対し、治療が長期化している。
あるいは過大愁訴(痛みの過剰な反応)がある、ストレス・ノイローゼの傾向ある、性格が過敏というような場合は減額要因となります。
すでに事故のまえから既往症がある場合も減額要因となります。
2.好意同乗による減額もあります。
好意同乗とは、同乗者が、運転者との人間関係に基づく運転者の好意で無償同乗することをいいます。運行支配・利益を享受する以上、それに応じた危険を運転者とともに分担すべきとの考えが根拠になっています。
減額の有無・程度は、好意同乗者の事故発生または損害拡大に向けられた不注意の有無・程度により判断されます。
例えば、運転者の飲酒・速度超過・無謀・未熟等を同乗者が知っていたか、制止できたかが考慮して判断されることになります。
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