医療法人・一人医師医療法人及びMS法人の設立
           
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医療法人の目的 種類と現状 税制の差異 一人医師法人 法人化のメリット 法人化のデメリット

設立要件 機関の構成 設立スケジュール 設立手続 設立後の手続 開設・廃止に伴う各種手続


一人医師医療法人

 一人医師医療法人は昭和60年の医療法改正により、一人医師又は歯科医師の常勤する診療所であれば、医療法人とすることができるようになり、それまで常勤医師3名以上であったものが緩和され、それ以降医療法人に占める「一人医師医療法人」は、医療法人の83%を占めるまでになっています。

 医療法人はそもそもその公益性の趣旨により配当は禁止されていますが、出資者の退社や法人の解散に際しては、出資割合に応じて残余財産の分配ができるとされてきました。しかし、この点が営利法人と変わらないとの批判を受け、平成19年4月1日以降においては、残余財産の分配のできる医療法人(持分のある医療法人)は設立できないこととなり、解散時の残余財産は「国又は地方公共団体、医療法人、厚生労働省で定めるもの」のいずれかに選定することになりました。

 そのため、法施行前の駆け込みの医療法人設立が急増しましたが、その直後の落ち込みを経て、その後は増加傾向にあります。

 機関や設立要件等は、従来の医療法人と基本的には差はありません。

1.制度の趣旨

・医療施設の永続性の確保 : 個人の財産と切り離し、法人の財産とすることで、永続性が確保されることになります。

・資本の蓄積が可能 :  個人の所得税は超過累進税率であるため、診療報酬が増加するにつれて税負担が大きくなります。そのため、高度で高額な医療機器を購入するなどの資金を蓄積することが困難です。医療法人は、一般の法人と同様の定率となりますので、税の負担は軽減され資本の蓄積が図れることになります。

・経営の分離 : 医療法人化すると、医療経営が個人と切り離されます。そのため、事業資金と個人資金が区分されることになり、経営状態が把握しやすくなり、近代的な経営ができるようになります。

 一人医師医療法人といえども、その他の医療法人の内容と変わる事はありません。

2.設立要件

@人的要件
・理事は原則として3名以上ですが、知事の認可をうけることにより1名でも可能です。
 ただし、理事長は医師に限られます。

・監事は原則として1名以上で、当該一人医師医療法人の理事または職員以外の者でなければなりません。

・社員は3名以上が必要で、設立者を構成します。

A物的要件
・資産と負債・出資金と均衡していること。

・土地・建物は法人名義が望ましいが、賃貸借契約期間が長期でかつ確実な場合は、賃貸借も認められます。
 (現実問題として、院長個人の所有にかかる不動産を医療法人に、売却するのであれば、負債が過大となる可能性があり、医療法人に贈与するとなれば、莫大な贈与税の対象となりますので、長期の賃貸借が妥当と思われます。)

3.設立スケジュール

 一般の医療法人と異なることはありません。

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