医療法人・一人医師医療法人及びMS法人の設立
           
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医療法人の目的 種類と現状 税制の差異 一人医師法人 法人化のメリット 法人化のデメリット

設立要件 機関の構成 設立スケジュール 設立手続 設立後の手続 開設・廃止に伴う各種手続


医療法人化のデメリット

 何事にも、メリットがあれば、その裏返しとしてのデメリットもつきものです。また、視点を変えるとメリットであるものが、違う視点から見ると、それがデメリットとなることもあります。

1.正確な税務申告の要請

 法人化に伴い、複雑な税務申告を正確に行わなければなりません。医療法人の中だけで処理するのはほとんど不可能と思われますので、税理士等の専門家に依頼することになり、コストが増大します。(個人の確定申告よりはるかに複雑で多数の書類が必要となります。)

2.社会保険の強制加入

 個人事業の場合でも、一定の規模(5人以上)からは社会保険や労働保険に加入しなければなりませんが、法人は最初から強制加入が義務付けられています。
 従業員側から見ると、これはメリットですが、経営サイドで見ると、社会保険などはその費用の半額を医療法人が負担しなければなりません。

 また、院長やその家族が理事であったり従業員の場合も、それぞれが厚生年金や健康保険に加入することになります。個人の場合は、国民年金であり、それまで扶養家族として健康保険料を負担していなかった家族も負担しなければなりません。
 院長は、おそらく最高額の負担となり、医療法人が負担する金額も高いものとなります。(勿論、老後に受給できる年金が増える、という意味ではメリットと考えることも出来ます。)

3.交際費の全額損金不算入

 個人事業では、交際費の全額が経費として認められていたのが、一定額以上は損金に算入できなくなります。
 出資金が1000万円までは、交際費の必要経費算入限度額は400万円の90%の360万円です。例えば、300万円の交際費を使った場合は、
        300万円の10%=30万円が経費に算入できなくなります。

4.配当の禁止

 医療法人が相当の利益を出した場合ですが、営利法人ならばその利益を出資者に配当することができますが、医療法人の場合は、配当できません。
 出資者は、給料(役員報酬)しか貰うことは出来ず、利益は医療法人に留保されます。

5.監督官庁への煩雑な申告義務と指導強化

 医療法人を設立するに際しては、膨大な資料を作成して申請しなければなりません。当然、経費がかかります。

 医療法人の設立後も、毎年行うべき手続があります。簡単に説明しますと、決算の終了後には、定時社員総会を行い、事業報告書を都道府県知事へ提出します。また、資産総額変更の登記を毎年行う必要もあります。

 医療法人の業務及び会計が法令に違反したり、違反の疑いがあるときは、知事による立ち入り調査が実施されることになります。

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