進藤行政書士事務所 : 相続業務、遺言書作成、任意後見契約、家系調査、交通事故損害賠償

被相続人の死亡(=相続の発生)から遺産分割までの流れ

図式化すると以下のようになります。
単純化していますが、遺産分割が完了して、手続きが終わるまでには
実に様々なことが待ち受けています。
遺言書があるケース、ないケースでは手続の仕方が違います。


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 誰もが長生きするよき時代に私たちは生まれました。本当に幸せなことです。でもいつの日にか

   『父母に呼ばれてこの世の客になり、用がすんだらはいさようなら』

 これは私の大好きなことばです。一休禅師が詠んだものですが、最期はやはり”さよなら”なのですね。

 相続はここから始まります。昔は家督相続でしたから、親の生き方をそのまま長子が引き継ぐ時代だったのです。長男以外はあまり相続のことを考えなくてもよい時代が戦争前まで続いていたのです。
 死後のことを話し合うのは縁起でもない、とか遺産のことをとやかくいうのはみっともない、とかの感情があって、こんなに大切なことでも家族や親族の間でフランクに話し合うのは少ないものです。

 話し合いがなければよかれ悪しかれお互いの腹の探り合いになってしまいます。相続人にとってはその後の人生で大きな比重を占める結果が待ち受けるかもしれない大切なことなのです。もっと、死ということについて、その後の相続のことについて家族間でしっかりした話し合いの場を持ちたいものです。
 
 さて戦後はどうなったでしょうか。皆さんご存知の通り、遺言がなければ話し合いで、まとまらなければ妻に半分、子供達に半分というように相続は法律の取り決めに従います。民法の親族編や相続編にこと細かに規定されています。

 相続は亡くなった人(被相続人といいます)が生前持っていたものをすべて相続人が引き継ぐというものです。ただし、被相続人にのみ与えられたもの、例えば医師としての免許や、会社員やその会社の役員としての地位などは相続できません。当たり前ですよね。政治家はみな相続して政治家になっているのではないか、確かに政治家は二世が多いですね。でも彼らも一応選挙で新たに選ばれているのです。相続ではないのです。

 今お話したのは、その故人に一身専属の権利は相続されない、ということですが、借金はどうなるのでしょうか?借金も引継ぎます。借金の方が多い場合はどうするの?心配しないで下さい。放棄という手段があります。限定承認という方法もあります。

 被相続人が保証人になっていた場合はどうなるか?保証人としての地位も引き継ぐことになっています。いろいろ争いのあるところですが、被相続人の権利義務があったものについて事細かに調査しなければあとで恐ろしい目に遭うことがあるのです。難しいことは専門家に相談するのが一番ですね。

 仲の良い兄弟もやがて成長し結婚し一家を構えます。うまく話し合って仲良く相続をしてほしいものですね。
 でも世の中うまく行かないことが多いのです。相続財産が多くても少なくても、それなりにもめてしまうことがあります。そんなとき、親が遺言さえ残しておいてくれたら、と思うことでしょう。

 遺言とは、
「生と死のかけはし」となるものです。ご自分が生きているうちに、自らの意志を死後にも生きたものとして存続させることができるのは、遺言をおいてほかにはありえないのです。
 遺言さえ残しておいてくれたなら兄弟が仲違いになることもなかったかも知れません。


■こういう人は必ず遺言を 

◆子供のいないご夫婦
 前提:遺産のほとんどがご自分たちの住む家と土地

・それぞれの親はすでに亡くなっていて、夫にも妻にも兄弟がいる場合
 遺言がないと、配偶者には4分の3の法定相続分しかありません。兄弟が相続権を放棄してくれれば問題はないのですが、ほとんど付き合いのなかった兄弟が相続権を主張してきた場合には、家を売ってお金を作るしか方法はありません。

●こんな悲劇を避けるためにも、夫婦で遺言をそれぞれ書きましょう。勿論、遺言は共同で書くことは出来ませんが、どちらが先立っても、残された配偶者が困らないようにしておくべきです。

◆子供のいるご夫婦
前提:遺産のほとんどがご自分たちの住む家と土地

・遺言がなければ、配偶者に半分、子供達に半分が法定相続分です。子供たちが法定相続分を主張してきたらどうなりますか?この場合も家を売るはめになってしまいます。自分の子供に限って・・・・ そうですね、考えたくもありません。でも誰かが商売をやっていて、それがうまくいっていないとしたらどうでしょうか。
 ご自分が住むところくらいは確保しておくようにしてください。

◆離婚して腹違いの子のいる親

・離婚をしてしまうとその夫婦は一切相続には関係なくなります。でも子供がいれば血縁は切れませんので、前の妻の子には相続権があります。この場合ほとんど子供同士は行き来することもないでしょうが、それぞれの子供は等しく相続権があります。親(被相続人)が長生きをしたけれど病気がちだったため、後の子が介護にあけくれたようなケースでは、先の子供から相続権を主張されたらいたたまりませんね。

◆仲の悪い子供をもつ親

・財産が多くても少なくても、争いになる可能性が大きいと思われます。経済環境が厳しい世の中ですから、いくらかでも権利を主張してきて争いになることが多いケースです。

◆障害のある子をもつ親

・障害を持つお子さんの行く末を案じてあげてください。それ以外のお子さんはご自分で生活をしてゆくことが出来ます。障害を持つお子さんの住むところ、その後の生活のことなども考えてあげてください。


 人間は誰しも物欲があります。例えば同じような価値の不動産が2つあるとして、仲の良い兄弟がそれを相続することになりました。人間誰しも好みがあります。この不動産も片やマンション、片や土地付き住宅として、どちらがどちらを選ぶかについて争いになるかも知れません。

 遺言は残された家族の争いを未然に防ぎ、「生と死のかけはし」となるものです。ご自分の意志を死後にも生きたものとして存続させてください。  
 とっても大事なことなのです。



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