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葬式とお墓について
■葬式

 たくさんの手続がありますが、その前に葬儀があり、火葬があります。ほとんどの場合、葬儀屋さんにお願いをして会場の手配から、葬儀の段取りまでお願いするのが一般的でしょう。

◆友引はなぜ避ける

 「友を引っ張る」という意味があるとされていますので、一般的に避けられます。亡くなった本人が希望したとしても残された方のことを考えたらできませんね。やろうとしても火葬場が休みの場合が多く、葬儀に関係の勤めの人や会社も、友引を休みの日にしていることが多いのでやろうとしても無理だと思います。

 最近は業者任せにせず、自分らしく最後を送ってほしいと希望する人が増えています。突然やってきた葬儀のあわただしさの中、残された家族は訳も分からぬまま世間並みの葬儀をと考え勝ちになり、祭壇の大きさ、葬儀委員長は誰にお願いしようか、焼香の順番はどうしょう、香典返しは何にするかなど次から次と決めさせられて、挙句にはお坊さんの数は、戒名はと・・・・ そこで『主人は派手なことは嫌いなタイプだったのでごく普通にお願いします。』と答えるのが精一杯でしょう。

 それでも、万のお金が積みあがって100万〜200万円にはすぐなってしまいます。
 死んだときだけ宗教や家制度が縛られるのはおかしい、と考える人が多くなっています。戒名だけでなんと30万円前後から果てはきりがないのですから。
 現役のまま亡くなられた場合は、自分流にこだわるのはなかなか困難なこともあります。それと最大の障害となるのは、兄弟や親戚かも知れません。
 すでに現役を引退している方でしたら、あらかじめご自分の葬儀を考えて、こんな風にしてほしいということを文書に残しておくのも良い方法です。遺言と違い、それがために遺産の移転が行なわれるというものではありません。特別な法的な措置がなくとも、本人の希望ということで遺族はその通りに葬儀をやってくれると思います。

 もし本人の希望がなかったとしても、葬儀を何式でやるかということは、生前のなくなられた方の生き方をよく考えてあげることです。朝晩仏壇にご焼香をしてお経を上げるという人だったら、当然その方の宗教に応じて葬儀をなさってあげることはいうまでもありません。

 自宅に仏壇もなければ、他の宗教にも属していないという人ならば、亡くなられた方にとって最善の葬儀を選んであげてください。最近の傾向としても、無宗教の形式でやる場合が多くなっています。また、実家が○○信徒だから、という理由で考えなくとも良いのではないでしょうか。お坊さんのお経よりも生前お付き合いのあった方々から、出来るだけ多くの人が弔辞を故人にあげていただいた方が、よほど素敵なお葬式になると思います。

 亡くなられた方には申し訳ないのですが、葬儀とは別の見方をすれば、その後に残された者、言い換えればその後も生きてゆく遺族をはじめ関係者にとって、亡くなられた方とお別れを言い、けじめをつけてその方との思い出を胸にしまってその後の人生を送る、という大切な場でもあります。
 ですから、訳の分からないお経よりも、できるだけ多くの友人に思い出を語ってもらったほうが、遺族にとってもありがたいものなのです。葬儀のありかたをもっともっと皆さんとともに考えてゆきたい、と考えています。




■お墓
 最近は散骨とか樹木葬というのに関心が増えてきています。その背景としては、無宗教であること、あるいは核家族化が進展し家制度が崩壊して墓地継承が難しくなってきたことがあります。違う観点からは、大好きだった海や大地に抱かれて眠りたい、という希望もあります。

(樹木葬について最近北海道新聞にあるNPOの記事が紹介されました。)
                          こちらをクリック→■記事■
 
でもどこでやってもよいか、というと法律では以下のように規定されています。

【墓地、埋葬等に関する法律】 
第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠7箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
 
第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。

火葬した骨を細かく砕いて、それを散骨するのは、現在のところそれを規定する法律はありません。そのため、地上にまくときは周囲の人の感情を考慮しなければなりません。一般的には骨を砕くのも、遺族がやるのはつらいので業者にお願いしてやってもらい、それを海なら専門の船をチャーターして、山ならばなかなか難しいのですが、例えば北海道なら羊蹄山のふもとで土地を取得して散骨の場をもっている団体があります。そういうところの会員になって行なうということでしょうか。まいた骨に土をかけるのは埋葬になってしまい、できないとかの規制があるようです。

法律の第4条に埋葬とありますが、大都市では土葬は条例で出来ないようになっていますので気をつけてください。火葬しかできない地区があると言うことです。

骨壷に入った遺骨をどうするかも考えなければなりません。1年くらいは自宅に置いておいてもよいでしょうが、何時までも置いとくというわけにはいきません。最近、散骨や樹木葬なども行われていますが、やはり一般的なのはお墓に入れてあげることでしょう。実家のお墓に一緒にいれるとか、いろいろな方法があります。
墓地を買い、お墓を建てる場合は、場所の選定から墓の形を考えたり、相当時間がかかるものです。時期としては一周忌には親族一同でお墓参りをしてから故人を忍ぶことが出来るように半年後くらいには着手したいものです。

 最初にお話したように、核家族化とともに墓地の継承という問題があり、これ以外にも生きているうちに永代供養墓地を購入して、後継者がいなくとも永代に亘るまで、その寺院に管理してもらうという方式です。

生きているうちに縁起でもないとうとまれがちなお墓の話ですが、現在は誰かがやってくれるという時代ではないのです。ご自分の子供も当てにしてはいけません。生きているうちに、元気なうちに死後のことを考えましょう。


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